1日の仕事を終え、家に帰る。そして家族で夕飯を囲みながら、今日の出来事に耳を傾ける。
僕は焼酎を飲みながら、少しずつ口数が増えていくと共に、子供たちはダイニングから去っていく。なんでやねん!最後に残った妻と話をしながら、酔いが更けていく。これが僕の幸せの時間である。僕は聞き手になることが多い。あまり自分の話を積極的にする方ではない。
だから、9割は妻が話していることをうんうんと頷きながら聴いている。いや、聞いている。
でもその時間は心地よく、これから子供たちが我が家を巣立って行ってもきっと続いていくんだろうと思う。
食事が終わり、片付けが始まる。いつもの光景だ。そういえば、手が荒れていると妻が言っていた。
片付けぐらいはと立ち上がり、コップに並々と入った焼酎を持って洗い場に移動する。キッチンドリンカー片付けVerである。
しかし、家族6人分の食器は山盛りである。まずは生ごみやトレイを片す。油もののトレイは、しっかりと洗い流してゴミ袋へ。
いつしか定着したこの動きも、妻に教わった流れだ。食器を軽くすすいで、食洗機へ入れていく。食洗機へ入れる食器の置き場も、何度も妻に仕込まれた。
「ここに置くとひっくり返って水が溜まる」など、様々なアドバイスがあって今の僕がある。ようやく、食洗機に食器を入れおわったところで思い出す。
あ、そうだった。焼酎を飲んでないや。と一口飲んで、次へと向かう。鍋、炊飯器ようやく終わったー!と達成感を得られたところで、ダイニングの椅子へ向かう。
残った焼酎をゆっくりと飲もうというわけだ。学ばない僕は、その瞬間にいつも絶望に連れていかれるのだった。
テーブルに置かれている『悪魔の水筒たち』だ。『最大の難敵が残っていたか!水筒たちよ』と心が叫んでいる。
愉快に笑う娘の水筒のキャラクターを見ても、僕は一切笑えない。僕は水筒を洗うのがとても嫌いである。
サーモスなどの水筒メーカー人はこの先読まないで欲しいぐらいだ。どうして、あんなにも洗いにくいのか。
もっといい形はないものだろうか。寸胴型で表面積が広くすればいいじゃないか。でも、それはもはやスープジャーと同じだな。
カバンにも入らないし、場所を取る。子供が学校へ行くとき、スープジャーを斜めに掛けて登校すると考えると、まぬけにもほどがある。
やはり細長く、カバンにも入りやすいスタイリッシュさこそ水筒のあるべき姿。水筒はスタイルが命なのか。それは、水筒の歴史を見ても変えられないのだろう。
せめてもう少し、口が広ければ洗いやすいと思うのだが。
僕は指が短く太い。水筒の奥底という『深淵』に挑むにはあまりに無力な武器だ。水筒を洗う時ほど自分の手を憎むことはない。
そう僕は水筒を洗うのに向いていない人材なのである。でも、世の中は簡単に僕を水筒洗いから逃がしてはくれなかった。今は、便利な道具で溢れている。
たれ家には、柄のついたタイプの水筒専用のスポンジがある。妻も僕の水筒洗い嫌いを悟って、密かに準備したのだろう。
簡単に水筒洗いから、逃がすわけにはいかないと。
以前、軽く洗ってすすいでいた時期があった。かつて僕は化学を学んだ。
そこで得た『とも洗い』という洗練された戦術。
同じ物質を扱うのだから、同じ物質ですすぐ。洗浄工程を省くという合理的な判断だ。だから、またお茶を飲むならとも洗いでもいいぐらいじゃないか。
今日もお茶を入れて明日もお茶を入れるのだから。でも、さすがにばい菌が出てくるから、洗剤通して軽く洗うか。僕の魂胆がバレたのだろう。
ちょうど口の下、広がっている部分がカビやすいのよね~。と妻があるとき伝えてきた。僕の戦術は、もろくも妻の現場経験と言う名の「現場の掟」に崩れ去った。
専用スポンジでなんとかこさぎ落としていくが、それでも行き届かない部分がある。
手を伸ばしたいけれど届かない。
道具を使っても、100%は行き届かない。
洗ったのにスッキリしない。なんなのだ!水筒をキレイに洗いきれない屈辱たるや、くやしささえ滲んでいく。
どうだ!またお前は俺を完ぺきには洗えなかったな。と水筒から笑われているようだ。
そうだ、さっきまで美味しく夕飯を食べて、食器もキレイに片づけたのに最後の水筒洗いのせいで、僕の1日はやり切れない煮え切らない想いに変わっていく。
水筒のやろう、水筒のせいで・・・僕の心がけがれていく。
でも、分かっているんだ。水筒がどれだけ、僕たち家族を支えているか。
僕が子供のころなんて、水筒を学校へ持っていく習慣もなかった。水道の蛇口をひねって、よく水を飲んだものだ。
部活動なんて、水を飲むな!の時代だから、水筒の出番などほとんどなかった。それが今はどうだ。みんな水筒を持って学校や会社に行っている。
会社のみんなデスクには水筒が並び、学校のロッカーにも水筒がしまわれている。水筒のお茶や水が僕たちの喉を潤し、あらゆるピンチから守ってくれている救世主だ。
だから僕は、このキレイに洗いきれないストレスさえも受け止めて、水筒洗いを今日もやるんだ。と重い腰を再びあげて、自分の水筒を手にする。
「おーい、水筒洗うぞ!もってこーい!」
冒頭お伝えした通り、たれ家は6人家族。そう、水筒は6本もある。洗い場に水筒を持ってきているのは、唯一中1の長女だけだ。
長男、次男がカバンから取り出す。残っているからと一気飲みが始まる・・・
「はい!そ~れ、いっきいっき」と掛け声を入れる。これもいつもの光景である。
飲まないと熱中症になるよ。頭が痛くなるのは水分不足よ。妻からの的確な助言が飛んでくる。(僕にふざけるなということだろう。)
そんな中末娘は、TVを独り占めしてユーチューブを見ている。話なんて毛頭聞いていない。末娘に直接「水筒を持ってきなさい」と声を掛ける。
鼻くそほじりながら、末娘は言う。「学童に忘れてきた」と。申し訳なさそうな気持ちは、1㎜もなさそうである。
これから僕は、水筒洗いとの戦いに挑もうとしている時にこの返し。僕がベルトルトなら今すぐにでも超大型巨人になり娘に覆いかぶさりたいぐらいだ。
そんなことはさておき、僕は水筒との戦いに挑まなければならない。今日も明日も明後日もだ。
あなたが水筒洗いとの戦いに挑んだことがあるのなら教えて欲しい。
どうすればキレイに洗えるのかを。僕と水筒との戦いに終止符を打つ必殺技を伝授してくれないだろうか?
きっと僕は、いい夢を見ながら、眠りにつくことができるだろう。
もしあなたが水筒洗いに挑んだことがなければ、一度水筒洗いを体験をしてほしい。あなたのパートナーがストレスを抱えながら、水筒と格闘していることを知ることになる。
そしてあなたは、水筒のお茶がいつも美味しく飲めることに感謝することができるから。



ものすごくわかります💦あの底にたまる汚れというか、カビみたいなものというか😆以前、インスタだったと思うのですが、洗った水筒用のスタンドがあって、よさそうだなと思った記憶があります。中がはやく乾くみたいな。
めっちゃ分かります!洗い物終わった〜🙌と解き放たれてたのに水筒発見した時の絶望感ったら…。
パッキンも面倒だし、内側の段々畑も口が広がり始めるところもなかなか汚れは溜まるし暗くて見えないし。
先に激落くんを付けれる100均の水筒洗う専用の棒を買いました💫