僕は必ず晩酌をする。ここでも継続の鬼だ!あの日の夜も焼酎を飲みながら、ふと妄想が膨らんだ。
お酒を飲むと、僕は妄想が膨らむエロいやつだ。
あの日の妄想はと言うと・・・
デスクで隠れながらサブスタに返信をしていると、ポンポンッと肩を叩かれた。
『たれくん、当社の経営が厳しくなってきている。』
振り向くとパーマを失敗したような爆発ヘアーの上司が僕を見下ろしていた。
こ、こ、これは早期退職を求められているのか!?
僕は入社20年以上、この会社一筋(副業はしていたが)遅刻も一切せずに貢献してきた(はずだ)
会社の利益を第一に考え、そうだ!部下の育成にも心血を注いできたこの僕を「早期退職だと!?」
もしかして、ボヤで助かった髪型と言ったのがバレたのか!?
と思いながら、上司の次の言葉を待っても発することはなかった。
そうだ!この上司は昔からそうだ。自分で考えろというわけか。辞めるのか!残るのか!?
んで、言うんだろう?君が決めたことだろって・・・
でも、僕は何のために働いているんだろう?そりゃ決まっている。お金を稼ぐためだ。
どうしてお金が必要なのか?それは、家族を養っていくためだろうよ。
独り身だったら、とっくに会社員なんて辞めて日銭を稼いで放浪しているさ。
でもこの会社は、稀に見る社員想いのホワイト企業。簡単に辞めるのももったいない。
定時ダッシュは当たり前にできるし、有休も使いたい時に使える。
家族との時間も十分にとれるし、会社に対する不満などほとんどない。爆発ヘアーの上司以外は
そうか、僕だけじゃないんだ。会社は僕の家族を含めてここまで養ってきてくれたんだ。
会社は家族にとっても『安心の担保』なのだろう。
どう進んでいくのが正解なのだろうか、、、辞めるのか?続けるのか?
沈黙の時間が続いていると、ボヤで助かった髪型の上司がついに口を開いた。
「当社の経営が厳しくなってきている。一緒に立て直すかい?」
僕は間髪入れずに
「もちろんですボヤ本部長!この会社はまだまだ立て直せます。僕に一端を担わせてください!」
・・・・・
驚いた顔で上司はこう続ける。
「いや、早期退職をお願いしようと思うんだが・・・」
(そうか、話に続きがあったのか・・・)
「早期退職を受け入れます。それが会社のためになるのであれば」
こちらも即答だ。
そうだ!どちらの問いに対しても笑顔で即答でOKできればいいじゃないか。
それが、これまで会社にお世話になった最高の恩返しだろうよ。
僕の妄想が深みにハマる中、「何ニヤニヤしているの?キモッ!」と娘が笑う。
焼酎を大きく1口飲んで現実に戻ると、娘を追いかけて大型巨人の襲来ごっこをするのであった。
やり過ぎて娘が嫌がるのを見て、妻は笑って食器を洗っていた。
将来会社が傾いた時、いつでも離れられるように、どんな形でも家族を守れるように副業も頑張ろうと誓った夜だった。


